タクシー運転手は稼げないとの噂もありますが、本当に稼げないのでしょうか。たしかにタクシーは利用客がいなければ成り立たない職業ですので、たくさん稼ぐのは難しいのかもしれません。具体的にタクシー運転手の平均年収はどれくらいなのでしょうか?また、この記事ではタクシー運転手の給料を上げるためのコツも合わせてご紹介します。
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タクシー運転手の平均年収
運転免許さえあれば誰でも就くことのできる職業であるタクシー運転手。雇用形態や会社によって給料は異なりますが、令和3年に厚生労働省により発表された賃金構造基本統計調査によれば、正社員のタクシー運転手の平均年収はだいたい370万円程度であることがわかっています。
毎月支給される月収としては平均で22.5万円。ボーナスはおよそ100万円前後であることから、平均年収は370万円程度であるといえるでしょう。
また、日本全国の正社員として働く人の平均年収は496万円程度だといわれているため、タクシー運転手は正社員であっても全国平均より100万円以上も低い年収となっています。
タクシー運転手は、運賃の全てがその人の給料になるわけではありません。だいたい売り上げの50%〜60%が自分の取り分となり、残りは会社に入ってしまうため売り上げがよかったわりには給料が低いと感じてしまうこともあるようです。
非正規雇用の場合では平均年収は155.7万円となり、正社員より大幅に年収が低くなっていることがわかります。
タクシー運転手の給与形態について
タクシー運転手として働く人の給与形態は、大きく3つに分かれています。
︎A型賃金(固定+歩合+賞与)
この給与形態はサラリーマンや一般的な企業で多く採用されている給与形態ですが、近年のタクシー業界ではこの給与形態が採用されることは少なくなってきました。
A型賃金は基本給や家族手当などの手当に加えて、一定の売り上げを超えた場合に発生する歩合給と賞与が与えられます。
固定給に関しては変動しないケースがほとんどですが、雇用形態や会社によっては、売り上げのノルマを達成できなければ固定給が減額されてしまうこともあるようです。
ただ、売り上げが悪かった月でも、決められた額はしっかりともらえるといったメリットもあります。
︎B型賃金
タクシー運転手のほとんどは歩合制で給与が支給されています。毎月の給料がその人の頑張りと売り上げ次第で大きく変わります。月間売り上げに対して場合率が決められているところがほとんどで、売り上げが大きければ大きいほどどんどん給料は上がっていきます。
毎月の売り上げを着実に作っていけるタクシー運転手にとっては、1番稼げる給与形態ともいえるでしょう。経験豊富な乗務員であればある程度稼ぐことができますが、未経験やあまり売り上げを作ることができない人にとってはとても苦しい給与形態です。
︎AB型賃金(A型とB型どちらも取り入れた給与形態)
現在のタクシー事業者の間で最も多く採用されているのがAB型賃金という給与形態です。その名のとおり、A型とB型のどちらの特徴も取り入れた給与形態のことです。
固定給と歩合給の合計のうち一定の割合の額が年に2〜3回の賞与として支払われる仕組みです。安定の固定給に加えて歩合の成功報酬が賞与として与えられるため頑張り次第で給料は上がり、やりがいを感じやすいでしょう。
月々の給与が平均的に同じになりやすいので、毎月大きく変動する可能性のあるB型賃金より生活しやすいのも特徴です。
タクシー運転手が稼ぐには?給料アップのコツ
給与形態に歩合制が含まれる場合は、頑張り次第で大きく稼ぐことも可能です。より給与の金額を上げていくためには、乗せる人数や時間、回数をどんどん増やしていく必要があります。
待機場所の工夫や、いつも利用してくれる顧客を掴むことによって売り上げを伸ばすことができるようになります。
さらに、地域によっても利用客が多い地域と少ない地域があります。都心部に近い場所や、駅周辺などタクシーを利用しそうな人が多く集まる場所に待機しておくと売り上げが作りやすいといえるでしょう。
また、勤務時間帯によっても給料が異なります。タクシーは休日や夜間、終電間近や悪天候の日に利用されることが多いため、利用する人が多い時間帯に出勤することで効率よく稼ぐことができます。
稼ぎたいと考えるタクシー運転手の多くは深夜帯に出勤しているという会社もあるようです。利用客が少ない地域では、勤務する時間帯を工夫してみるとよいかもしれません。
まとめ
稼げないと思われがちなタクシー運転手の平均年収は、やはりサラリーマンや一般的な企業に比べると低いことがわかりました。しかし、給与形態や勤務するタクシー会社によっては頑張り次第で1,000万円以上稼ぐことができる場合もあるようです。給料を上げるためには人が多く集まる場所に待機したり、利用するであろう人が多い時間帯に勤務したりなどの工夫が必要です。また、指名制度がある会社もあるためコミュニケーションスキルを身につけておくことをおすすめします。タクシー運転手への転職を検討している方はぜひ参考にしてみてください